アイドルポップ2アイドルポップの世界(2)アイドルポップの世界(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) アイドルポップ映像の世界 穂口雄右氏インタビュー アニソンポップの世界(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) アニソンポップ映像の世界(1) (2) 電波ポップの世界(1) (2) (3) (4) (5) (6) 電波ポップ動画の世界 アイドルマスターの世界 「恋はあせらず」トラック世界大会 【 ポップ偏差値 68 】 松田聖子 / 青い珊瑚礁 '80 小田裕一郎作曲 大村雅朗編曲 発表された当時ロック少年だった私も「敵ながら天晴」と唸らされた大ヒット曲で有無を言わせぬ歴史的なスーパーポップ。当時としてはかなり洗練された曲調で高揚感、突き抜けた感じが凄い。サビのキーの高さ、優雅さ、テンションの高さは小田裕一郎ワールド随一のものと感じます。明るく乾いていて「青い珊瑚礁」の世界を実に見事にポップに体現しています。「珊瑚礁」や「南風」はポップな曲の大事なキーワードだネ。 それにしてもこういった高揚感のある明るくポップな歌はアイドルポップが好きな人なら誰もが大好きなのかと思っていたのだが、どうもそうではなく、スーパーポップな世界を嗜む人間は、その適性、嗜好、志向性を持つごく一部の少数派なんじゃないかと愕然としている今日この頃。この曲は日本国民的にはどの程度の位置づけなんだろうか。 しかし「珊瑚礁」なんだからジャケをなんとか出来なかったものか。曲調と全然合ってないしね。曲の完成時点でアイドルとか松田聖子とかいう次元の内容ではなくなっていると気づけよな。(せめて画像2のような水着ものにならなかったか。)
【 ポップ偏差値 67 】 Darlim&Hamabal(キム・ダリム) / 青い珊瑚礁 小田裕一郎作曲 '19 小田裕一郎作曲でアイドルポップ史上に燦然と輝く歴史的名曲の韓国の女性歌手キム・ダリムによるカバー。オリジナルはデビュー間もなく破竹の勢いだった1980年の松田聖子で、当ブログでも「歴史的なスーパーポップ 松田聖子 / 青い珊瑚礁」として取り上げ済みです。青い珊瑚礁の乾いた空気感、華やかで高揚感あるメロディなど小田裕一郎ワールドを損なうことのない原曲に忠実なカバーですが、松田聖子に負けず劣らずのキム・ダリムの歌唱力と松田聖子には無かった透明感のある爽やかな声質はなかなか魅力的。聴き比べてみると松田聖子は随分貫禄があり比較的太い声質だったなと感じてしまいますね。細かい箇所では「南の風に乗って走るわ」の「風に」の部分の控えめで繊細な表現が実に奥ゆかしい。ただ一点「青い風切って走れ」の「切って」の歌いまわしが演歌調でこの曲にはそぐわないかな。動画では可愛らしいルックスのキム・ダリム嬢が明るく楽しそうに、にこやかに歌い好印象で更に曲の印象がアップするかも。 「YOU TUBE」で聴けます。
中嶋美智代 / 泣いていいよ 作曲都志見隆 編曲新川博 '92 「たんぽぽ」収録 90年代に活躍したアイドル中嶋美智代の3rdアルバム「たんぽぽ」収録曲。ゆったりとしたリズムの悲し気な曲だけど聴いてビックリの素晴らしいウォール・オブ・サウンド曲。アイドルポップとしては5分43秒と異様に長い曲で、それだけでも製作陣の気合いの入り具合が伝わってきます。基本はAメロを中心にほとんど盛り上がることなく淡々と歌われるんだけど、重量感のあるドラムやシャンシャン感のあるカスタネットなどで構成されるウォール・オブ・サウンドは実に心地よく、壁の厚み、空間的拡がり、エコー感、とその完成度は非常に高い。メロディもなかなかいいですしアイドル音壁ものの大作と言っていいでしょうね。ただ音壁ものの聴き所であるはずの間奏部分が短く内容もいまいちなのと、感動的であるタイトル部分「泣いていいよ」を含むCメロが一度しか使われることが無いという構成がちょっと惜しい。個人的に先日「YOU TUBE」で見つけたばかりで驚いたのだけれど音壁者の間で話題になったことも無さそうなので、なかなかの発掘と言えるかも。 編曲は当ブログでもお馴染みの新川博氏で、アイドルポップ名曲の志村香 / 秋風はあなた、音壁名曲のERI(菅井えり) / 恋はドーナツショップでそしてやはり音壁のオレンジ・シスターズ / サマー・ホリデーを既に紹介しています。素晴らしい音壁職人ですが探せばもっといい曲あるのかな。 「YOU TUBE」で聴けます。(5分33秒からの曲) 森口博子 エンドレスドリーム 芹澤廣明作曲 '88 彼女の歌にはこうした青春強要歌が多いが、この曲が嫌味や説教色を感じさせないのはやはり曲の出来が抜きん出て良いからか。少しロックンロールっぽさがあるのは、もしかしてこの頃?のバンドブーム等の影響か。『覚えたてのステップ』なんてセリフが思わずホロリとさせるちょっとスウィートビターな逸品。彼女のキャラクターにも程よくマッチしている。
この曲の作曲者、芹澤廣明さんの作品の中でエンドレスドリームのように明るく元気でポップな曲は他にもありますでしょうか? 芹澤廣明さんの作品リストへジャンプ ↑こちらに芹澤廣明さんの作品リストがあるのですが、これらの中でポップでオススメの曲がありましたら、是非教えて下さい。よろしくお願い致します。(尚、チェッカーズのヒット曲はだいたい聴いたことがありますが、ちょっと大味で好きではありません。) 【 ポップ偏差値 66 】 福永恵規 / 風のINVITATION '86 作曲高橋研 編曲佐藤準 「夕やけニャンニャン」エンディングテーマ。おニャン子クラブのメンバーのソロ曲で作詞は秋元康が担当。個人的におニャン子クラブものは秋元康の打算的な顔が思い浮かんで、いまいち触手が伸びない。お前達の欲しがってるのはコレだろう?ってな氏のうすら笑いが目に浮かぶ。しかし、エレピが爽快に鳴り響くこの曲はよく出来ている。「らめぇっ!エレピが気持ちイイ!くやしい・・・でも感じちゃう!!」ってところですね。 徐々に盛り上げていく出だしは「SUGAR BABY LOVE」風。ロック調のリズムに合いの手ギターの入れ方なんかは王道パターンのそれ。エレピの軽やかな響きと全体に漂うスピード感は佐野元春風。ドラムのエコー感と高揚感のある爽やかなコーラス等などで極上のポップスに仕上がっています。ただ全体として如何にも業界人が「狙った」感が強いのと、ちょっと機械臭が漂うのがマイナス要因かな。因みに「ボク」という一人称で女性が歌うという、いわゆる「ボクもの」ソングでもあります。アルバム『SPLASH!』にはアルバム・バージョンが収録されているそうです。
吹田明日香 / 二人はMAGIC '84 作曲/杉本真人 編曲/大谷和人 60'Sポップス風な曲調が楽しい84年の作品。曲調からかもしれないが80年代にしては珍しく、古き良き70年代前半ぐらいの乾いた空気を感じさせてくれるのが嬉しいね。タイトルにマジック(魔法)とつくのもポップの大事なキーワードを押さえていて宜しい。コーラスも「イエイイエイイエイ、ウォウウォウウォウ」にVELVETS/LANAと同じ「リンガリンガリンガリンガリンガリンガ」だものこれで楽しく無いはずがありません。明るくちょっと甘酸っぱいメロディに、少し甘えた歌い方、サビの高揚感も良い。始まりかたが静かなのでなかなか盛り上がりが遅いのがちと残念。ヴェルベッツ同様「リンガリンガリンガ」のフレーズで始まればもっとキャッチーな印象を残せて良かっただろう。
太川陽介 / LUI-LUI (ルイルイ) '77 都倉俊一作曲編曲 男性として一体どれぐらいフェロモン出てるのか甚だ疑問な人畜無害、無味乾燥キャラな太川陽介。羞恥心を人並み程度持ち合わせていればなかなか歌えない、あまりにも無意味で幼稚な歌詞だが、これを自然に歌いこなしてしまうのはある意味素晴らしい才能とも言えるか。この頃の時代性というのもあったんだろうなあ。曲調の軽さからも色物ソングとして捉える方も多いが、そんな評価だけでは収まりきらない何かがキッチリとありますゾ。この軽やかさ、羞恥心の無さ、ふっきれ方、明るさ、無垢さ、高揚感、乾燥感などなどの極上のポップ要素を感じ取って下さい。ところでこの曲に元ネタってありますか?画像2はルイルイTシャツ。欲しい!
【 ポップ偏差値 65 】 松田聖子 / 風は秋色 '80 小田裕一郎作曲 信田かずお編曲 「裸足の季節」、「青い珊瑚礁」に続く作曲家・小田裕一郎による松田聖子の初期三部作の締めくくり。優雅でテンションの高い昂揚感の有るサビの盛り上がりっぷりが素晴らしいですね。この華麗な感じはフィリーソウルのストリングスに通じるものが有るんじゃないでしょうか。 当時の小田裕一郎氏ご自身の解説を読むと「松田聖子のヴォーカルはブレンダリーを連想させるこぶしを持った歌唱法」だそうな。そして「リバプール辺りのメロディをトライした」とのこと。また松田聖子の歌を初めて聴いて、「歌謡曲界というより、もっととんでもない所の音楽が出来るんじゃないか?」と思ったそうで、これは小田裕一郎が作曲能力ばかりでなく音楽的感受性も素晴らしく、この発見・閃きこそが松田聖子の初期三部作という金字塔につながったということが分かります。更に「インターナショナルな音楽」、「明るい歌謡曲」を志向していたということで、改めて小田裕一郎氏がアイドルポップの歴史を大きく転換させたのだなと思います。グレイトだぜ、小田裕一郎! 「YOU TUBE」で聴けます。
東京パフォーマンスドール / SATURDAY NIGHT FANTASY '92 作曲秋山桃花 編曲THOUSAND SKETCHES 篠原涼子を擁するTPDのCDS「十代に罪はない」カップリングで、アルバム「CATCH YOUR BEAT !! Cha-DANCE Party Vol,5」収録曲。この曲のタイトルである「サタデー・ナイト・ファンタジー」という曲名は、往年のソウルファンなら70年代ディスコ・ヒットの「Bee Gees / Night Fever」や「EARTH,WIND&FIRE / FANTASY」をイメージすることでしょうが、そんな70年代後半のディスコサウンドを90年代風に味付けしたのがこの曲。 トラックは打ち込みのユーロビート系サウンドで個人的嗜好から遠く離れたもの。ビートというだけあってテンポが速い割にはグルーヴ感は少なく、言葉通り単なる「拍子」にしか感じられないのがユーロビートの嫌いな理由。ただしこの曲においてはメロディや雰囲気、曲の出来の良さもあってそれほど気にはならない。 週末の夜の「今夜は何か素敵なが起こりそう」という期待感や開放感が上手く表現されたメロディはなかなか良質。70年代のフィリーダンサー・ホーン風(笑)に華やかに盛り上げるシンセはちょっと薄っぺらだけどなかなかいいムードです。途中のストリングス風(笑)シンセも同様で「どうせならゴージャスにオーケストラでやってくれ」と少々鬱憤も溜まりますが鐘の音なども煌びやかに入って全体としては好印象。幾人もが交代でリードをとりコーラスもしっかりと付いているヴォーカルワークはなかなかのものです。「ニコニコ動画」で視聴できます。
尾崎紀世彦 / また逢う日まで '71 作曲編曲筒美京平 筒美京平の初期傑作曲。大仰でキャッチーな出だしのホーンや爽やかなストリングスなど70年代初期の乾いた空気をバックに、尾崎紀世彦のソウルフルで高揚感のあるサビの絶唱が素晴らしいネ。筒美京平だから何か元ネタあるだろう、と調べるとサザンソウルの大ヒット曲「OTIS REDDING / DOG OF THE BAY '68 (VOLT 157)」が元ネタとの記述が、、、。聞き比べてみると確かにメロディが似ています。出だしの派手なアレンジとサビの絶唱は同じヴォルトの大傑作曲「LEADERS / HOW DO YOU MOVE A MOUNTAIN ? '71 (VOLT 4072)」っぽい気もするなあ。もう一曲ぐらい大ネタが隠れてる気もするけど、何れにしろ日本歌謡曲史上に残る名曲であります。
広末涼子 / MAJIでKOIする5秒前 '97 作詞作曲/竹内まりや 編曲/藤井丈司 ストリングスアレンジ/服部隆之 (WARNER WPDV-7108) 明るく元気一杯なモータウン「THE SUPREMES / YOU CAN'T HURRY LOVE」トラック。出だしのドラムはわざと音割れさせているのか?迫力を出すのに良い効果だ。少年少女の初恋の頃の甘酸っぱい感覚がよく表せているね。広末涼子の最も人気があった頃で少女期の可愛らしい声も魅力。竹内まりやの歌うデモ版も存在し、山下達郎SSBでオンエアされた。
【 ポップ偏差値 64 】 キャンディーズ / 微笑がえし '78 穂口雄右作曲編曲 引退企画歌詞もうまくマッチした泣かせる胸キュン曲。大定番曲。 なお、アニメソングですが、未来への贈り物という曲は、歌詞に「ワンツースリー」、「アンドゥトロワ」、「おかしくて泣けてくる」等の表現が出てくる所やテーマが別れである点、にもかかわらずアップテンポで明るめの曲調で泣かせる胸キュンメロディ曲である所などはこの曲を彷彿させます。 BIBI / スカイピクニック '79 穂口雄右作曲編曲 飛行機の上昇音から始まる高揚感いっぱいの曲。ずっとユニゾンで通してしまったりとボーカルに全く魅力が無いのがたまにキズだが、高揚感あるコーラス、ストリングス、爽やかなメロディ等がそれらをカバーしてあまりある。歌詞には「雲、空、翼、スカイハイ、スカイピクニック」等といった高揚感を感じさせるキーワードを無節操に散りばめているのだが、結果的に飛翔感、空高く舞う感じがうまく表現できた。アレンジもたたみかけるような盛り上げ方などなかなか良い。個人的には「エデンの園、イブ」等といった表現はちょっと萎えさせられて残念。70年代アイドルポップはなんと言ってもその空気の乾燥感、高揚感と明るい未来像が魅力なのだが、いよいよその最後の年になって満を持して咲いた最後の一花といった趣きを感じさせちょっと寂しいネ。アイドルポップとしては4分21秒と大部長くちょっと大作的。「アイドル宝石箱 VICL-40167」などいくつかのコンピで聴ける。画像5はスカイピクニックということで?地上5メートルで体を張ったパフォーマンス。
坂口良子 / サインはV '73 三沢郷作曲 青木望編曲 この曲には、麻里圭子版(三沢郷編曲)、富田智子版、前川陽子版、それとこの坂口良子版の4つのバージョンが存在するようです。私が子供の頃どのバージョンを耳にしていたのかは覚えていませんが、未聴の前川陽子版を除くとこの3つの中では坂口良子版が抜きん出て良い内容です。なんと言ってもストレートで荒削りな坂口良子の歌声が魅力です。明るく、ハリがあり、希望に満ち溢れています。若いエキスがみなぎり、根拠の無い自信に溢れ、勝利に対する明るい期待感があります。。元気一杯で譜面から大きく外れるような気合の入った歌い方はこの時代独特の乾いた空気感とともに格別の味わいです。鐘の音も心地よく響いてていいヨ。 麻里圭子版はかなり洗練され、こじんまりと上手にまとまってしまった感がありどうにも魅力薄。富田智子版に至っては単なる記号と化してしまってます。同じ曲ですが出来に天地の差がありますので、聴いたことがある人も無い人も是非坂口良子版サインはVをご堪能下さい。それにしてもブルマは濃紺に限るな。
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